英会話を勉強する上で、何が一番問題なのか、20年以上、多くの生徒さんと取り組んできて私が得た答えの一つは日本語と英語の構造の違いをどう克服するかということです。例えば「昨日お母さんと地下鉄で浅草に行きました」と英語で言いたい時、まず、核となる部分、「私は行った」ということを言わなければなりません。次に「どこへ」を置き、「どうやって」、「お母さんと一緒に」が来て、最後に「昨日」と言う時で締めくくります。理屈ではこれらのことはみなさんご存知なのですが、初心者の方の中には咄嗟にこの順番が浮かんでこない方が多いようです。I went to Asakusa by subway with my mother yesterday.
又、日本語の複雑さ、難しさがあります。例えば、「日米両国間にとって緊密なる関係を維持することは極めて重要である。」ええっ、そんな難しいことよういわれへんですよね。この文章の核は、「重要だ」という部分です。important という単語さえわかれば It is very important と始めてしまいましょう。 「誰にとって?」 for Japan and America です。そして「何が?」to keep good relationship というのが難しければ、to be good friends. と言い換えてみても意味は通りますよね。 It's very important for Japan and America to be good friends. ほうら、できました。これは「英語をしゃべることは難しい」、 It's difficult for me to speak English. という構文を知っていればできます。難しい日本語を、子供にも分かるような表現に変えることで英語になりました。
日本語を分解してみるのもいいやり方です。「この間行った京都への旅はとても素晴らしかった。」と言いたい時、律義に、この間行った京都への旅?ええっと、関係代名詞かなんか使うの?なんて考えませんか? 日本語を少し解体してみましょう。「この間」がわからなければ「何日か前」と言い換えて I visited Kyoto some days ago. として、「それはとても良かった」It was great. とか I enjoyed it very much. とかいえば内容が伝わりますよね。
「花子に結婚式に呼ばれたんだけど、着ていくものがないから新しいのを買わなくちゃ。」呼ばれた私を主語にするなら、受け身よね? でも、花子を主語にして Hanako invited me to her wedding. の方が簡単でしょ? I have no money.を応用して I have no dress (to wear), so I must buy a new one. で良いでしょう。この one というのは前に出てきた単語、 dress のことです。主語を変えることで簡単になる英文もあります。